事業企画、不動産業、ブランディング、デザインを両立した長屋型集合住宅

新規事業を徹底サポート。建築とビジネスの両側面から調査・分析

ビジネスリサーチで見えてきた、都市と企業の強み

埼玉県戸田市で新規事業として不動産業を検討していた、飲食業を営む企業から
集合住宅の設計と新規事業プロデュースの依頼を受けました。

人口縮小時代においてトップクラスの人口増加率を誇る戸田市は
他の都市に比べ高齢化率が低く出生率は高いという理想的な都市であり、不動産業の需要が十分に見込めます。

また、戸田市のシティセールス戦略では、居住型のセールスを行なっており
今後、住環境としての戸田市がクローズアップされる可能性も持っていました。

そのような不動産業との親和性が高く見られるエリアで成功を納めるため
私たちは都市と企業の強みを分析していきました。

 

計画敷地、周辺環境の強み

敷地は工業地域に属していました。
工業地域は主に工業の業務の利便の増進を図る地域ですが、特に今回のような駅から近くの敷地では
用途地域の用途と需要のアンバランスが生まれ、工場が潰れてマンションが建つケースが増えています。 
敷地周囲は全て工場に面している環境ではありましたが 、建物の用途の性質上開口部がない事が多いため
住宅、商業系に比べプライバシーは確保しやすくなっていました。

また、道路が遊歩道や川に面しているため道路側は開けていて良い雰囲気を持っていました。
建築設計の分野においては、集合住宅では人々が集まって居住する為、コミュニティ形成がされやすいと考えられていますが、実際にはうまくデザインされている共有部が少なくないことも、課題としてあげられています。

私たちは以上のような分析を踏まえ、企業と集合住宅が目指すべきポジションはどこなのか探っていきました。

 

【SWOT分析】
<強み>
▽内的要因
・駅から近い
・目の前に川がある
・プライバシーが保たれやすい

 ▽外的要因
・戸田市の人口の増加率
・会社が若い
・エリアに根付いている企業である
・銀行の金利が安い
・戸田市に供給されているデザイン物件が少ない
・戸田市のシティプロモーション

<弱み>
▽内的要因
・周りが工場
・地盤が悪い
・用途地域が商業地域ではない。

▽外的要因
・不動産部門での実績が少ない
・少子高齢化
・同じような賃貸物件が多い
・将来的な値下げ競争
 

 

不動産会社、集合住宅が目指すポジションと建築の計画の策定

人口動態からターゲットを策定。

先にも述べたとおり、戸田市はトップクラスの人口増加率を誇る都市です。
さらに、その人口動態のデータから19~39歳のセグメントの流入が多いという結果が出ていました。

これは15 歳~19 歳の大学等の入学時期、20~29 歳の就職時期、30~ 34 歳の結婚・出産時期といった
ライフステージの転換期に居住先として選ばれている状況であることを示しています。 
私たちはこれを軸にターゲットを19~39歳という若い世代に絞り計画を進めていきました。

競合他社の動向調査で見えた、目指すべきポジション

競合他社は、将来的に供給過剰になる市場に画一的な大量生産商品で参入している会社が多く
差別化が必要な環境に対して、策無き戦いをしている傾向が見受けられます。

また、立地以外でハードの新しさを頼りにして勝負しているという傾向も強いです。
新築、築浅の間はよいかもしれませんが、毎年市場に大量の新規供給があるため
競争はかなり激しいことが予想され、設備も時が経つにつれ劣化してしまいます。

また、サブリースに関しても築浅期間を過ぎると入居率が下がり、家賃が下げられてしまうため
頼りにならない状況であることがわかっていました。

そのような競合他社の状況を踏まえ、私たちは築年数や立地といった条件の他に
若い世帯が住みたいと思えるようなデザインやサービスといった付加価値を提供する不動産会社
集合住宅というポジションを目指し、計画を進めていきました。

設計条件の整理

このプロジェクトでは500㎡以上の敷地面積だったため、開発行為に該当する計画でした。
開発がかかると、過剰な設備や 、緑化等の建築に付随する費用が発生することと
確認申請が交付されるまでの期間が大幅に増えてしまいます。

一方、私たちはビジネス的な側面も考え、法的な拘束の軽減、十分な面積の確保が可能な建築物の規模や構造
売却も含めた将来的な土地利用の可能性、企業の事務所の配置といったことまで様々な条件を整理しながら計画をたて
その結果、敷地を2つに分割して片方を駐車場、もう一方を集合住宅として計画する提案をしました。

企業のビジネスに最適な建築解の提案

「地元の魅力を届けたい」という企業の思いに応えながら
消費者のニーズに応えるために「まちの不動産屋」という企業コンセプトを提案。

そして、そのコンセプトのもとに建築やロゴのデザインを提案しました。

エンドユーザーの満足度を向上させる為の循環型ブランディング

私たちは、デザインやサービスといった付加価値に特化したポジションを確立し
将来的に自社で客付けできるようにするために、循環型ブランディングモデルを提案しました。

循環型ブランディングでは、企業からの不動産情報やイベント情報の宣伝、告知
内見やイベントを体験した後のユーザーの発信による、ロイヤリティの獲得と知名度の向上までが
一つの循環する仕組みとして企画されています。

また、これと平行してイベントの告知や入居者の募集などを行うためのウェブサイトデザイン

集合住宅の間取りイラスト、ロゴデザインといった、ターゲットである若い世代に訴求するための
ヴィジュアルデザインも提案しました。

ターゲットのニーズ、ビジネスに合致した、最適なデザイン集合住宅

私たちのリサーチによると戸田市では40㎡以上のLDKタイプの間取りに対する需要に対して
その条件を満たす物件数が圧倒的に不足していました。

私たちはこの消費者ニーズに応えながら、開発、構造、法規などの設計条件を満たす合理的なデザインとするため
木造の長屋形式を採用しました。

長屋形式とすることで通りに対して開くことができながら、通常の共同住宅の形式よりも室数と面積を多く確保でき
なお、通常の共同住宅に比べ法的な制約も少なくすみます。

また、このプロジェクトではデザイン性能を向上させる目的も強かったことから、より外観の自由度が高く
コストも比較的抑えられる木造を採用し、ビジネスとニーズに合致した集合住宅の提案を行いました。

新規事業が新しい顧客と企業のビジネスを繋ぎ、新たなビジネスステージに立つきっかけに

このプロジェクトは企業のリソース、都市や計画敷地の強みを活かし、消費者のニーズに合致した
集合住宅の設計を中心に不動産会社のコンセプトまで提案しました。

不動産会社にとって目指すべきポジションとターゲットが明確になったことで
より具体的な戦略を立てることができると考えています。

また不動産会社の次の可能性として、オーナーの獲得 、専任契約といった企画会社としての可能性や
既存の飲食業と組み合わせた、農業 、子育て、老人ホームなどの新たな分野への転用の可能性までの
射程をとらえた新たなビジネスステージの展開が期待されます。

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