コラム
COLUMN

2019.06.29

旅館業の許可が取得しやすくなりました。民泊から簡易宿泊所への変更をご検討されている方へ。

旅館業の許可が取得しやすくなった!?

6月26日の法改正により3階建て200m2以下の旅館・ホテルなどの特殊建築物への用途変更に対して確認申請が必要なくなりました。これにより問い合わせが増え続けているのが民泊事業者さんからの旅館業の許可取得についてです。民泊は最高でも180日までしか営業ができません。それに比べて旅館業の許可は365日、営業ができます。事業採算性からみても圧倒的に有利になるため許可を取得したい人が増えているのは予想されていた当然の流れかと思います。

問い合わせの内容としては法改正により緩和されたことは理解しているのだけれども、実際どこがどのように緩和されたのかがわからないという内容です。今回の記事では、これから旅館業の許可を取得したい、民泊の許可業者から旅館業の許可業者にくらがえしたいという事業者のために解説をしていきたいと思います。
※3階建、200m2以下の場合のみこちらの内容に適合しますのでご注意ください。

旅館業の許可が取得できなかった理由

みなさんが旅館業の許可を取得できず旅館業営業をできなかった理由としては以下の2点に集約されるかと思います。

・本体の耐火建築物を満たさなければならない
・竪穴区画をしなければならない

旅館業の許可が取得できなかった理由(1)-耐火建築物要求

旅館業の許可が取得できなかった一番大きな理由が、本体の耐火建築物要求だったのではないでしょうか。こちらは建築基準法第27条による耐火建築物にするべき特殊建築物の用途に関係しており、ホテル・旅館の場合は3階建で耐火建築物を要求されます。RC造であれば比較的容易に耐火要求はクリアすることができますが、木造3階建の場合は耐火建築物にすることが求められた時点で改修が非常に難しくなってしまいますし、鉄骨3階建も柱、梁に耐火被覆が要求されてしまい改修工事費用がかさむ要因となっていました。

旅館業の許可が取得できなかった理由(2)-竪穴区画

竪穴区画に関しては階段が独立した階段室型の建物の場合は問題ありませんが、例えば住宅で見られるようなリビングに階段があるような平面計画の場合は、あたらしく区画が必要です。つまり、耐火性能のあるスチール扉や耐火要件を満たした区画壁が階段と居室の間に必要になります。これによって、この竪穴区画に関しては金額の面でもそうですがプランの面でも客室利用面積が減ってしまったり、大きな制約を受けてしまいます。(下記図面参照)

それでは、今回の建築基準法の改正は、旅館業の許可を取得する上でどの程度緩和されたのでしょうか。

旅館業の許可を取得する上でどの程度緩和されたのか?

旅館業の許可を取得する上で耐火建築物の要求はどの程度緩和されたのか?

今回の建築基準法の改正で3階建て200m2以下は耐火要求がされなくなりました。これは旅館業の許可を取得する上で非常に大きな緩和といえます。今まで必要だった柱や梁の耐火措置がいらなくなたったので、改修工事費用に対するインパクトは絶大です。これから木造3階建の一戸建てがホテルとなる建物が増えることが予想されます。もう一つの大きな障害になっていた竪穴区画は法改正によって、どのように緩和されたか引き続きみていきましょう。

旅館業の許可を取得する上で竪穴区画はどの程度緩和されたのか?

竪穴区画の緩和は居室と階段室を区画する、壁と扉の耐火要求こそなくなりましたが、緩和前と同じように間仕切り壁、戸が必要となります。間仕切り壁や戸の性能は、特定の耐火性能を要求していませんが、火災時に直ちに火炎が貫通する恐れのあるもの、例えば襖や普通板ガラスのガラス戸、厚さ3mm程度の合板で作られた壁などは対象外となっています。それではどのようなものが一般的な性能なのかというと、両面に厚さ9.5mm以上のPBを下地としたものや、フラッシュ戸(一般的な扉)などを用いることを想定しています。

注意!?結局、竪穴区画はほとんどの場合、従来の竪穴区画が適用されます。

今回の改正で建築基準法令第112条12項にて簡易間仕切りと扉での区画が認められるようになりましたが、第10項に規定する建築物をのぞくとあります。10項は旧法律の第112条9項(主要構造部が準耐火構造で、地階又は 3 階以上に居室 のある建築物における竪穴区画)、つまり従来の竪穴区画のことを指しています。したがって、準耐火構造以上の建物は引き続き竪穴区画が必要です。事前のアナウンスでは竪穴区画の緩和と認識していたのですが、蓋を開けてみると旧9項の条文は生きていて緩和はなく、旧9項に該当しない建物の竪穴区画の規制でした。

旅館業の許可を取得する上で一番恩恵を受ける建物は?

今回の法改正でもっとも恩恵を受けるのが、階段が独立しているタイプの木造3階建て200m2以下の建物であることには変わりありません。こちらの建物の場合は、竪穴区画さえしっかり行えば、ほとんどプランに影響なくホテル・旅館に用途変更ができることが想定できます。
ただし注意として引き続き自動火災報知器などの消防設備や、消防の検査は必要です。
また、用途変更の確認申請が必要なくなったことで確認検査機関や建築指導課などの審査期間や審査費用が必要なくなり、時間とコストの削減ができます。こちらも当たり前の話なのですが、審査が必要ないからといって建築基準法を満たさなくても良いわけではありませんので、増築や増床、安易な納戸の居室利用などには注意が必要です。宿泊施設は宿泊者の命や安全を守らなければいけませんので、建築基準法は必ず守るようにしましょう。

旅館業の許可申請にも検査済証が必要な場合がある!?

例えば墨田区など自治体によっては、旅館業の許可申請時には、たとえ用途変更の確認申請が必要がない場合であっても、検査済証の添付が求められる場合があります。

検査済証がない場合は建物が建設当時、適切に建てられていたことを証明する必要があります。また事業ローンを借りる場合は検査済証またはそれに変わる既存不適格を証明する書類が必要になることがあります。私たちは確認検査機関を利用した国交省の定めたガイドラインを利用する法適合調査を行うことによって既存不適格の証明をしておりますので、検査済証がなくてお困りの方は一度ご相談ください。

>>検査済証がなくてお困りの方

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