コラム
COLUMN

2022.03.18

窓の防火設備ついては延焼ラインのおそれのある部分が重要です。

防火設備にすべき窓とは(防火指定または耐火構造の建物で延焼ラインのおそれのある部分に該当する窓)

外壁の延焼のおそれのある部分に開口部(窓、ドア等)を設ける場合は、防火設備を設ける必要が出てくる建物があります。最初に結論をのべると、防火地域に指定された建物の延焼ライン内(防火地域、準防火地域)、耐火構造を求められている建物の延焼ライン内(耐火建築物、準耐火建築物)には防火設備が求められます。
住宅の設計だけに取り組んでいる設計事務所であるなら、大ざっぱですがこちらを押さえておけば防火設備に関しては問題ないのではないでしょうか。

防火設備の代表的な例としては、街を歩いていると見かける網入りガラスがあります。こちらの窓は防火設備に該当します。今回は網入りガラスはどのような時に必要になるのかを解説していきたいと思います。
また網入りガラス以外の防火ガラス、昔はよかったけど現況の法規ではNGとなってしまうガラスについても解説していきます。

延焼のおそれのある部分(延焼ライン内)とは

2階建て以上の場合は、1階:隣地境界線、道路中心線から3m以内、2階以上は5m以内、平家建ての場合は1階5m以内にかかってくる部分が延焼のおそれのある部分となります。

また同一敷地内に2つ以上の建築物(延べ面積の合計が500平方メートル以内の建築物は、1つの建築物とみなします。)がある場合も、お互いの外壁間の中心線のそれぞれから、1階は3m以内、2階以上にあっては5m以内の部分にかかってくる部分が延焼のおそれのある部分となります。

ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地、水面、耐火構造の壁に面している部分は除かれます。

建物の配置計画では延焼ライン内外であるかによって求められる建物基準が変わってくるので重要な基準となります。

防火設備とは

防火設備は大きく分類すると2つに分かれます。

国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの(仕様規定)

所定の性能を確保できる構造として、建築基準法、施行令、告示により、定められたものです。

『平成12年度建設省告示第1360号第1の2 ニ』に記されている鉄及び網入りガラスで造られたものが一番有名です。

国土交通大臣の認定を受けたもの(性能規定)

仕様規定と同等性能を有するものとして国土交通大臣の認定を受けたものです。こちらが

一般的なサッシメーカー(YKKAP、LI XIL等)の仕様となります。

こちらでは防火設備の解説をしますが、面積区画、竪穴区画、異種用途区画などは特定防火設備や防火設備+遮煙性能などが求められます。

耐火・準耐火建築物の防火設備

建築基準法では法第2条第9号の2ロ等の規定により、耐火建築物等(準耐火建築物も含む)の外壁の開口部で、延焼のおそれのある部分(延焼ライン内)には技術的基準として加熱開始後20分間の遮煙性能を持つ防火設備を求められます。耐火建築物や準耐火建築物が求められる建物基準は以下の2つとなります。

  • 1、建物用途
  • 2、防火地域の指定の有無

1、2に対して建物の規模が該当する場合は耐火建築物、準耐火建築物の基準を満たす必要が出てきます。

防火・準防火地域内建築物の防火設備

防火・準防火地域に指定されている地域では建物が延焼ライン内の場合は、外壁開口部は防火設備の設置が必要とされています。例えば耐火構造(準耐火含む)を求められていない、2階建ての住宅であっても、準防火地域に指定されている場合は延焼ライン内は防火設備が必要となってきます。
東京都内などの密集地の場合は、ほとんどが準防火地域に指定されているため、延焼ライン内の防火設備の設置が必要になってきます。一方、地方など土地に余裕がある場合は22条地域に指定されている事が多いです。これは地方は土地もそれほど近接する必要がないた目です。都心が防火地域に指定されている理由としては、密集地ならではの都市防火のための防火指定といえます。防火指定の有無は土地購入を予定している場所の行政機関で、現在ではW EB上で簡単に調べることができるため、気になる方は調べてみてください。

防火網入りガラス以外の仕様について

法律が施行された当時の防火設備である窓は、鉄製+網入りガラスが標準でした。鉄製は耐久性の観点(錆びやすい)から難点があるため、現在のような、馴染みのあるアルミサッシ+網入りガラスとなりました。

ただし、街をみても明らかに網入りガラスが入っていない透明の窓もあります。そのようなガラスは耐熱強化ガラスになっていることが多いです。耐熱強化ガラスとは簡単にいうと熱に強い透明のガラスです。

網入りガラスを美観上変更するために、耐熱強化ガラスを使用することもショーケースやエントランス部分に採用することも多いです。または防火シャッターを利用することでシャッターを防火設備とすることによって、既存の開口部を防火設備としないことも商業施設の場合はよくある手法の一つです。

住宅のアルミサッシでも網入りガラスではない耐熱強化ガラスの仕様もあるので、網が気になる人はそちらを採用する方法もあります。

防火ガラスの歴史(線入りガラスは今は駄目)

網入りガラスは防火ガラスというお話はしてきましたが、昔は線入りガラス(パラライン)も防火ガラスとして認められてきました。しかし『建設省住指発第185号 昭和58年7月8日』により昭和58年10月1日をもって、線入板ガラスは乙種防火戸の認定を取り消されました。現在ではみかけなくなりましたが、そういった経緯から、昭和58年以前の古い建物では線入りガラスが使用されていることがよくあります。こちらの部分は既存不適格に該当しますが、建物を有効活用する場合は既存遡及の対象になる場合もありますので注意が必要です。

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