用途変更の確認申請をするための設計費用についての問い合わせが増えています。弊社にご相談いただく中で用途変更の費用が高くなってしまう物件について説明していきたいと思います。
圧倒的に難易度が高くなってしまう状況です。検査済証がない場合は設計事務所から断られてしまう場合も多いと思います。検査済証がない場合はガイドラインを利用した法適合調査もしくは12条5項の報告書を提出してから、確認申請を提出する流れになります。
検査済証がなく構造図がない状況だと、構造計算書の復元まで求められることが多いため、新築の設計費用よりも費用がかかる場合があります。
こちらの場合も建物の状況により費用と難易度が高くなっていきます。
最後に用途変更が高くなってしまう場合の条件について説明していきたいと思います。
概算見積もりが出るまでの期間については、物件の規模や状況、または必要な調査内容によってことなります。
建築図面がない場合も費用が高くなります。建築図面がない場合は図面を復元しなければ確認申請を出すことができません。復元する場合は用途変更をするフロアだけではなく建物全体の図面(配置、平面、立面、断面、面積表等)が必要となります。規模が大きくなればなるほど、復元の難易度が上がっていきます。
設備図面も同様で設備図が無い場合も必要最低限は復元する必要があります。
既存部分に無許可増築などの不適合部分があっても費用が増えています。不適合部分を是正する必要が出てきます。
旅館業許可や保育園申請などの手続きが別にある場合は費用がかかります。
許認可を得るための建築基準法や消防法とは別の旅館業法や児童福祉法、保健所などの別機関との折衝が出てくるため、他物件と比較して難しくなってきます。
こちらは見落とされがちな項目ですが階が高層になってくると建築基準法や消防法における縛りも多くなってくることがあります。既存建物の防災や耐火設計の読み取りと、新たに計画する避難、防火区画を正しく設計する必要が出てきます。
用途変更についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
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執筆者Writer
ドキアーキテクツ株式会社|代表取締役社長 / 建築家 / 一級建築士
熊田 康友Kumada Yasutomo
1978年静岡県生まれ。武蔵工業大学大学院土木工学科卒。設計事務所等に勤務した後、2013年にデザイン設計事務所「DOKI architects(ドキアーキテクツ)」を創業。建築設計だけでなく、ロゴやウェブサイトなど建物に付随するハコ・モノ・コトのデザインをトータルで請け負う。
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